「ブックサンタ」という取り組みをご存知ですか?
公式サイトに掲載されている文章を引用しておきます。
ブックサンタの合言葉
あなたも誰かのサンタクロース本来、クリスマスや誕生日は子ども達が胸を弾ませ、ワクワクする一大イベントのはずです。
ブックサンタ公式ホームページより
でも実は、そのお祝いをすることが難しかったり、お祝いにしんどさを抱える家庭の子ども達がいます。その数、日本国内に推計約200万人。
ブックサンタは、こうした子どもたちに本を届けることを目的として2017年から活動を始めました。
ブックサンタの企画に参加している書店で本を選び購入することで、サンタとして子ども達に本を届けることができます。
自身に余裕がある限りは善い行いをしたいよなぁという思いがあります。
「アフリカにワクチンを届けるために募金が必要なんです!」とかは「ほーん…まぁ大事なんだろうけど……」という感じですが、「本をプレゼントされたら嬉しいよね!」については素直に「それな!」となります。
共感できる範囲のことぐらいはしておこう…!ということで参加しました。
ブックサンタを知ったきっかけ
私がブックサンタという活動を知ったのは昨年で、ピクシブ株式会社の以下の記事を見たことがきっかけでした。
ただ記事を見た時点では期限(クリスマスの12/25)までに書店に足を運ぶ余裕がなかったため参加できませんでした。
それ以降1年間、すっかりブックサンタのことは忘れていた(覚えていれば9月から参加可能)のですが、今年も同じくピクシブ株式会社の記事を読んで存在を思い出したので参加しました!
pixivのメンバーでブックサンタをしました📚
— pixiv小説編集部 (@pixiv_shosetsu) December 18, 2024
選んだ本への思い入れや魅力も紹介しているので、購入時の参考になれば幸いです。https://t.co/zZI5xZOMRs#pixiv小説 #ブックサンタ
ピクシブ株式会社はブックサンタの取り組みに特別協賛しているようです。それで毎年ブログ記事をアップしているんですね。
ちなみに上記の記事ではピクシブの社員の方が選んだ本が紹介されているのですが、そのラインナップに伊坂幸太郎が入っていたので参加のモチベーションが上がったというのもあります。
あとなんかPayPayのキャンペーンでポイント還元があったので買い物する気になりやすかったです。
参加方法
ブックサンタへの協力方法としては、金銭の寄付やクラウドファンディングなど色々あるのですが、一番スタンダードなのは書店に足を運んで本を選ぶものです。
参加書店は1,868店舗(2024年12月現在)とのことなので、お住まいの地域からアクセスできる範囲に参加書店があるのではないかと思います。
本を選ぶ
書店に行ったらプレゼントしたい本を選びます。
0~18歳の子どもに届けられるのでその年齢で楽しめるものを選びます。
漫画や雑誌などは対象外となりますが、絵本でも小説でも図鑑でもほとんど制限なく自由に選べます。
また冊数に下限や上限はないので、自身の状況にあわせた金額で支援が可能です。
詳しくは公式サイトの「よくある質問」から確認できます。
レジで会計時にブックサンタと伝える
本を選んだら普通に購入する時と同じようにレジに持って行って会計をします。
その際に「ブックサンタに参加したい」旨を伝えればOKです。
普段のレジのやり取りでも「カバー付けますか」とか聞かれると思うので、その時に伝えたら良いんじゃないかと思います。
その後お金は普通に支払って、本は店員さんに預けます。
最後に参加証として三つ折りのリーフレットとステッカーを受け取れます。
リーフレットには寄付者限定ページのQRコードが印刷されており、本を受け取った子ども達の感想を見たり、月イチの活動報告メールを受け取ることができます。
私が選んだ本
今年が初めての参加、私は以下の2冊選びました!
すりぃ「テレキャスタービーボーイ」(MF文庫J)
軽音部に所属する高校生の楓月は、周囲の環境にうまく馴染めず、目標も定まらない自分自身にモヤモヤを感じていた。
KADOKAWAより
そんなある日、好きなバンドのライブに初めて参加したところ、姉の友人である飛鳥と出会う。飛鳥は保育士の専門学校に通いつつも、かつて打ち込んだ音楽の道を諦められずにいた。
閉塞した日常に息苦しさを抱いていた楓月と飛鳥。意気投合した二人はバンド活動を始めるが、様々な障害が立ちはだかり――。
友達、家族、大人、好きな人。
人は誰かを理解しようとする。
誰かに理解して欲しいと思う。
その過程で、ちょっと好きになれる自分を見つけ出す。
このサイトで取り上げるためにはボカロと絡めないわけにはいかない、というのは、ある。
ということでボカロ曲を原作にした小説が置いてありそうなコーナーに行きました。
かいりきベアさんの「ベノム」やChinozoさんの「グッバイ宣言」を元にしたラノベが平積みされていました。
ただベノムもグッバイ宣言も続き物らしいんですよね。
シリーズが出てるものを途中の1冊だけ貰っても……ということで1冊で完結する作品としてテレキャスタービーボーイを選びました。
ボカロ原作の小説って面白いの?
面白くないと思います。
いや読んだこと無いので食わず嫌いしてるだけですけど。
ボカロ好きの私じゃなくて小説好きの私がボカロ原作の小説が面白いわけないと言っています。
面白くないのになぜ選ぶのかって、子ども達にボカロを聴かせるためです。
原曲が存在する小説をプレゼントされたら、それまでボカロに興味なくてもとりあえず1回聴いてはみますよね。YouTubeで3分ぐらいで聴けますし。
未来のボカロファンを増やすためにボカロ原作の小説を贈ります。よろしくお願いします。
私の目的はボカロ小説を楽しんでもらうことではなく、ボカロ文化に触れてもらうことです。
「小説はつまらなかったが原作の曲は良かった」となったら良いですね。
調べてみた感じテレキャスタービーボーイについては割と評判良いらしいです。
そうでなくても他のボカロ原作小説と違って、ボカロPのすりぃさん自身が著者となっているので、ファン向けにはその時点で価値があるとも言えます。
万人に取ってつまらない本というのは存在しないですし、受け取り手が面白い本なら当然それに越したことはありません。
伊坂幸太郎「ジャイロスコープ」(新潮文庫)
助言あります。スーパーの駐車場にて“相談屋”を営む稲垣さんの下で働くことになった浜田青年。人々のささいな相談事が、驚愕の結末に繋がる「浜田青年ホントスカ」。バスジャック事件の“もし、あの時……”を描く「if」。謎の生物が暴れる野心作「ギア」。洒脱な会話、軽快な文体、そして独特のユーモアが詰まった七つの伊坂ワールド。書下ろし短編「後ろの声がうるさい」収録。
新潮社より
「一番面白い小説は?」と訊かれたらかなり迷いますが、
「一番面白い小説を書く作家は?」と訊かれたら間違いなく伊坂幸太郎です。
伊坂幸太郎の本を選ぶということには、ボカロ原作小説を選ぶことを中和して余りあるほど“面白さ”にプラスの効果があります。
その中でもどれを選ぶかは迷ったのですが、書店で悩んでいたら帯に「サンタ」の文字が見えてジャイロスコープに決めました。
ジャイロスコープは7つの話が入った短編集なのですが、そのうちの一つ「一人では無理がある」にサンタが登場します。
ざっくりあらすじで言うと「サンタクロースという人物は存在しないがシステムは存在する」という設定の上で、組織の一員としてプレゼントを届けたりする人たちの話です。
まさにブックサンタにぴったり!
ちなみに帯にサンタがいなくても、小説を読み慣れてなくても区切りごとに読みやすい短編集、年齢層が低めなことを考えて分厚すぎない本、という条件で同じ本を選んでいた可能性もあります。
ブックサンタに参加してみて
ブックサンタの公式サイトに以下のように注意書きがされていました。
例年、ブックサンタのポスターなどの展示物が広い店内で見つけられず、不安になる方がおられますが、下記参加書店では必ず実施していますので、ご安心ください。
また、書店さんの中には新人さんもいることから、すべての方がブックサンタを把握しているわけではありません。ブックサンタについて相談したい場合は、お手数ですが画像にあるような缶バッジを付けた書店員さんをお探しください。
参加書店一覧より
レジで「ブックサンタ」と伝えて「は?なんて?」と言われてしまったら店頭で突然サンタを名乗る不審人物になってしまうなと怯えながら、いざという時に見せられるように参加書店一覧のページをブラウザで開きつつ挑みました。
結果、スムーズに手続き出来てよかったです。
お金は払ったのに本は預けて手ぶらで帰るの変な感じする~と思いながら帰りました。
で、帰ってからこれを書くために公式サイトを確認してたら、参加証もらえるって書いてあるのに手ぶらで帰ってきたが??となりました。
「すべての方がブックサンタを把握しているわけではありません」は本当のようです。
「ステッカー貰ってないんですけど!」と書店に電話したら、翌日書店に改めて行って無事に貰えたので良かったです。
お礼寄越せって言うの図々しい感じしてイヤだったんですけど、参加証のことも記事に書くためなので…。でも紙ペラ受け取るためだけに時間を掛けて書店に行くの手間なので、皆さんは「ブックサンタに参加したらレジで参加証を貰えるはず」というのは事前に把握しておくのが良いと思います。
寄付者限定ページに掲載されている感想には、受け取った本のタイトルや写真が載っていることがあります。
すべての本についての感想が届けられるわけではないと思いますが、今回選んだ本がないかチェックしていようと思います。
2冊で1,300円ぐらいでしたし、近くの書店から参加できるのが気軽で良いですね!
全国の子ども達を自分の趣味の本を贈って読ませられる企画です!
子ども達、名作絵本じゃなくてボカロ小説を読め。
この記事を読んでいる頃には2024年の参加には間に合わないかも知れませんが、ぜひ来年まで覚えておいて参加してみてはいかがでしょうか?
#ブックサンタの裏側
— ブックサンタ&シェアケーキ主催🎅NPO法人チャリティーサンタ (@charitysanta14) December 15, 2024
12月に入り、皆様にご寄付していただいた本が続々と届いております📚✨
各書店から届いた段ボールの開封→十数カテゴリに仕分けを行った後、様々な事情で大変な境遇にいる全国の子ども達の元へと届きます!… pic.twitter.com/uIvGKbGHLt
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