私が曲を作る際によく使っているプラグインを紹介します。
こういう系の記事、自分も持ってるプラグインだったら共感したり、今後買うものの参考にできたりして読むの好きなので…。
時期によって結構変わったりするので、年ごとに書いたりしたら変遷が分かったりするのかなと思いました。
この記事は、ボカロP Advent Calendar 2025の25日目の記事です。
- 音源編
- エフェクト編
- EQ:Pro-Q 4(FabFilter)
- コンプレッサー:Pro-C 2(FabFilter)
- コンプレッサー:1176 Classic Limiter Collection(Universal Audio)
- コンプレッサー:Teletronix LA-2A Leveler Collection(Universal Audio)
- リバーブ:Pro-R 2(FabFilter)、Pure Plate Reverb(Universal Audio)、RAUM(Native Instruments)
- ディレイ:REPLIKA XT(Native Instruments)
- コンプレッサー:OTT(Xfer Records)
- ディストーション:Sausage Fattener(Dada Life)
- ディストーション:Le Phonk(XynthAudio)
- サチュレーター:U78 Saturator(Audified)
- ステレオイメージャー:S1 Stereo Imager(Waves Audio)、A1StereoControl(A1Audio)
- オートパン:AutoPan(Steinberg)
- サイドチェイン:Kickstart 2(Nicky Romero)
- レゾナンスサプレッサー:M-Clarity 2(Techivation)
- ディエッサー:Sibilance(Waves Audio)
- ノイズ除去:RX 7(iZotope)
- ピッチ補正:Melodyne(Celemony)
- ボーカルレベラー:Vocal Rider(Waves Audio)
- マスターエフェクト
- アナライザー
- まとめ
音源編
音源編とエフェクト編に分けて紹介します。
ドラム:EZdrummer 3(Toontrack)
バンドサウンド系のドラムはEZdrummer 3を使ってます。
生音系の打ち込みってベロシティやタイミングを若干ずらして人間っぽくするという工程があると思うのですが、苦手なんですよね。EZdrummerはそれを簡単にやってくれるので好きです。
またeasyという名前になっている初心者向けかと思いきや、音も普通に良いと思っています。ドラマーの人とかだと違うのですかね…?
Superior Drummer(Toontrack)やBFDへの乗り換えも検討したのですが、デモ音源とか聴いてもEZdrummerで良いなと思いました。
Bandmate機能(MIDIやオーディオからリズムパターンを提案してくれる)が特徴的っぽいですが、それは全然使っていないです。内蔵ドラムパターンはめちゃくちゃ使ってます。
エレクトロ系のドラムは、トラックにオーディオファイルを直接並べることが多いです。BATTERY 4(Native Instruments)などのサンプラーを使っていたこともあるのですが、直接並べた方が利便性高いなと思いました。
ピアノ:EZkeys 2(Toontrack)
連続でToontrackのEZシリーズです。
こちらも、人間っぽくする作業の部分をやってくれるので良いです。
コードとフレーズを別々で組み立てることができ、収録されているMIDIフレーズのコードを変える、みたいなことが簡単にできます。
ピアノロールの打ち込みがしやすいので、別のピアノ音源を使う際にも打ち込みだけEZkeysを使って作ったMIDIを移したりしています。
「別のピアノ音源」としてはKomplete(Native Instruments)にバンドルされているものとかフリーのものとか使うこともあり、あまり決まっていません。
ベース:MODO BASS 2(IK Multimedia)
生音系ベース音源はMODO BASSを使ってます。定番ですね。
できることは多いはずなのですがそこまで使いこなせている感じはしない…。
ベース:TAL-BassLine-101(TAL)
シンセベースの音源です。
フリーのTAL-BassLineというのもあるのですが、それの有料版です。
ジリジリした感じの音がするのが好きで、Mid Bass的な役割で使うことが多いです。
有料版だとアルペジエーターが使えるようになったりやれることが増えるのですが、私の使い方だとフリー版でも別に十分な感じはします。
サブベース:SubLab(Future Audio Workshop)
サブベース専用音源です。
サブベース欲しいときには使っています。
synth、sampler、x-subの3つを混ぜて音を作るのですが、メインになるベース音源との兼ね合いによってはx-sub以外は使わないこともあります。
サブベース専用と言いつつ、メイン部分の音も出るので高めの音も出させることもあります。とはいえその場合も別のベース音源とは併用しています。
シンセ:Serum 2(Xfer Records)
定番シンセSerumです。
2になっても引き続き使っていて、シンセ音源の中ではダントツで使用頻度が高いです。
ただ2になって触れるパラメータが増えて取っつきにくくなった感じがして、Serumも万能じゃないなと思い始めたのもあり以前に比べると別のシンセを使うことも増えてはきました。
別のシンセとしては、適当に立ち上げて選ぶことが多いのでそこまで特定の音源はないのですが、PolyMAX Synth(Universal Audio)が結構気に入る率が高いです。
あとパッドとかグラニュラーで空間を埋めたい意図の時は、Cubase付属のPadshop(Steinberg)も使うことがあります。
グラニュラーシンセって、最近音割れ系サウンドの台頭に伴って話題になりつつあると思うのですが、Cubase付属で十分良い感じです。
シンセ:Magical 8bit Plug(YMCK)
フリーの8bitシンセです。
歌の仮メロディーは全部これで打ち込んでいます。目立つ音がするのでオケに埋もれずに聴こえます。
本番のオケで使う頻度は減ってしまったのですが、それは単に作る曲のジャンル的にそうなっただけで、仮メロでは依然使っています。
その他:ホーン、ストリングス
ホーン(ブラス)はVintage Horns 2(Big Fish Audio)を使うことが多いです。特に「Retro R&B Alto Sax」の音がバリバリした音がして好きです。
ストリングスはMiroslav Philharmonik 2(IK Multimedia)が多いです。IK Multimediaの音源はSampleTank 4も持っているのですが、そちらは全然使いませんね…。
以前はフリーのBBC Symphony Orchestra DISCOVER(Spitfire Audio)を使っていて、そちらはピチカートだけ欲しいとかいうときに使っていたのですが、ちゃんとストリングスが欲しくなったのでPhilharmonikを使うようになりました。
エフェクト編
エフェクト編の方が大ボリュームになりそうな気がします。
EQ:Pro-Q 4(FabFilter)
EQ全部これで良いです。EQでやりたいことは全部できます。
Pro-Q 3から使っていますが、4になって他トラックの情報が見やすくなったりさらに使いやすくなりました。
ノブだけで操作するパラメトリックEQは使わないです。EQカーブが見えてアナライザーが付いているのが良いです。
次点で、Renaissance Equalizer(Waves Audio)も使うことがあります。Pro-Qだと自由にEQポイントを増やせる分、オートメーションで操作したい時(フィルター的な使い方をしたい時)にはどれがどのポイントなのか分かりにくいなと思います。
なのでオートメーションで動かすことが決まっている場合はポイント数が決まっているRenaissance Equalizerを使います。
コンプレッサー:Pro-C 2(FabFilter)
次もFabFilterです。FabFilterはこの2つとPro-R、Pro-Lも入っているバンドルで買ったのですが、全部使ってます。
Pro-Cは波形が見えるのが良いです。
何にでも使えるので、後述の1176やLA-2A以外はPro-Cを選んでます。
コンプレッサー:1176 Classic Limiter Collection(Universal Audio)
1176系のコンプです。アタックが早めと言われている方。
正直コンプによる音の違いとか大して分からないのですが、ボーカルとか生音系のトラックに挿しています。
UADのこれは3つのコンプのセットなのですが、それの違いとかさらに分からないので気分で適当に選んでいます。一番歪むと言われているRevAを選ぶことが多いかもです。歪んだほうが1176の味が出るのかなと思うので。
コンプレッサー:Teletronix LA-2A Leveler Collection(Universal Audio)
LA-2A系のコンプです。アタックが遅めと言われている方。
これも3つのバンドルで、例によってどれを選ぶかは適当です。1176の方は名前がA(古い)とかE(Aより新しい)なので覚えやすいのですが、こっちはSilverとかGrayなのでどっちがどうなのか覚えてないので…。
ボーカルのコンプは、各トラック(メインとハモリなど)に1176を挿して、ボーカル全部をまとめたバストラックを作ってそこにLA-2Aを挿しています。
リバーブ:Pro-R 2(FabFilter)、Pure Plate Reverb(Universal Audio)、RAUM(Native Instruments)

リバーブはこの3つを同じぐらい使うかなという感じです。
Pro-Rは何にでも使えます。
Pure Plate Reverbは名前の通りプレートリバーブなので、ボーカルに使うことが多いです。Pro-Rもプレートリバーブとして使えるので、使い分けは気分です。
RAUMは変な音にできるので、変な音にしたい時に使います。シンセ系の音と相性が良いです。
ディレイ:REPLIKA XT(Native Instruments)
ディレイでやりたいこと何でもできるのでディレイはこれだけで良いです。
Pro-Cなんかと同じく視認性が良いのが良いですね。
左側のスタイルの項目はそこそこ使うことがあります。反響音を曇らせたりとか。右側のFXは使ってないです。
コンプレッサー:OTT(Xfer Records)
コンプレッサーという括りで良いのか分かりませんが…。
シンセ系と相性が良いのはもちろんですが、キラキラさせたい系の場合はボーカルなどにも使ってます。
OTT使いすぎてるなと思ったときには、気分転換でCramit(sixthsample)という、OTT+ディストーションのプラグインも使うこともあります。OTTもCramitもフリーです。
ディストーション:Sausage Fattener(Dada Life)
ジャンル的にはディストーションで良い…?
OTTと同じく派手系エフェクトです。
エレクトロ系のドラム、ベースに掛けることが多いです。
掛けると音量が上がるのでゲインの調整も忘れずにする必要があります。
ディストーション:Le Phonk(XynthAudio)
フリーのディストーションです。派手に歪みます。
歪み方のスタイルをいくつか選べるのですが、「Beef」というのが好きです。音作りの一環としてベースに掛けると何かモチモチした感じになるので気に入っています。
サチュレーター:U78 Saturator(Audified)
温かみを加えるやつです。
サチュレーターとして使うというよりも、いわゆるラジオボイス的な加工に使うことが多いです。
ハイパスローパスのノブとCalibのノブを良い感じにすると歪みも加わっていい感じになります。
Cメロで雰囲気変えたいときとかに使います。
ステレオイメージャー:S1 Stereo Imager(Waves Audio)、A1StereoControl(A1Audio)
ステレオ感を広げたり狭めたりするやつです。
役割が被るようなパートで片方を狭めて片方を広げて役割分担させたりします。
A1StereoControlはフリーです。どちらも効果はあまり変わらないので気分で使い分けてます。
オートパン:AutoPan(Steinberg)
Cubase付属のオートパンです。
ちょっと動きが欲しい時に使います。
オートパン、そこそこ使うのでDAW付属じゃないのも試そうと思ってV-Pan(Rhodes)を使ってみたりもしたのですが、CubaseのAutoPanの方がシンプルで使い勝手が良かったです。
サイドチェイン:Kickstart 2(Nicky Romero)
サイドチェインなんて適当なコンプとか使ってもよいのですが、サイドチェイン専用で使いやすいので使っています。
4つ打ち系では必須です。
最近はM-Blender(Techivation)も良いのかなと思ったりはしています。
レゾナンスサプレッサー:M-Clarity 2(Techivation)
余計な音を除去してくれるというやつです。Soothe2が有名ですが、そっちは持っていないので…。
Techivationは将来リリースされるプラグインも全て使えるFull Accessを買ったので今後使用頻度が高くなってくると思います。MシリーズとAIシリーズ(あと下位版のTシリーズ)があるのですが、両方ある場合は微調整できる感じがするのでMシリーズの方を選ぶことが多いです。
ディエッサー:Sibilance(Waves Audio)
Wavesのバンドルで一番使ってるのこれだと思います。
歯擦音を除いてくれるやつですが、音域で除くとかじゃなくて歯擦音だけを消してくれます。
ボーカルじゃない音源の高域を削りたい(ハイハットやシンセの高音がうるさい)用途でディエッサーを使うこともありますが、その場合は逆にSibilanceだと上手くいかないです。
そういう用途だとRenaissance DeEsser(Waves Audio)、RX 7のDe-ess(iZotope)を使ったりしますがあまり決まっていないです。
ノイズ除去:RX 7(iZotope)
ボーカルなどのノイズ除去です。
未だに7を使っているのですがそろそろアップデートした方が良さそうです。
ノイズ除去の用途以外に、本来の用途ではありませんが完成音源のラウドネスを測るのに使っています。
ラウドネス計測のプラグイン、音源を最初から最後まで再生しないといけないものが多いですが、RXのWaveform Stats機能なら音源を読み込ませたら一瞬で計測して表示されるので…。
音源の最終確認時に波形やアナライザーを見ながらRXで再生するというのをよくやっています。
ピッチ補正:Melodyne(Celemony)
ピッチ補正の定番ですね。人間ボーカルのピッチ補正・タイミング補正に使います。
Melodyneを買った後もCubase付属のVariAudioを使っていたこともあるのですが、Melodyneに慣れた方が良いよなと思いMelodyneを使うように意識しています。
MelodyneとVariAudio以外にはTune(Waves Audio)も使ったことがありますが、Melodyneが一番自然に補正できると思います。
ボーカルレベラー:Vocal Rider(Waves Audio)
ボーカルのオートメーションを自動で書いて音量調整してくれるやつです。
Vocal Riderも使うのですが、結局手でオートメーション書きます。これは人間ボーカルだけでなくボカロの場合も使います。
オートメーションで動かせる項目がRiderとOutputの2つあります。音量の操作という意味ではどちらも同じです。
私の使い方は、ボーカルの各トラックの最後に挿して、まずは自動でオートメーションを書いてもらいます。
その後、Outputのオートメーションでパート単位(Aメロ、サビ、ハモリなど)のざっくりした音量調整をして、自動で書かれたRiderを一音単位で手作業で調整します。
なのでボーカルトラックに関してはDAWのフェーダーは動かさないことが多いです。
マスターエフェクト
マスターに挿すエフェクトは大体決まっているので項目を分けてみました。以下の順のことが多いです。
マスタリングツール:INTENSITY(zynaptiq)
何に分類されるのか分からないプラグインです。
「顔認証アルゴリズムを流用して音の明瞭度を上げる」そうです。
「魔法」「チート」などのレビューに惹かれ買いましたが、音が変わるのは分かるのですが、それが「良くなってる」のかはよく分からず、2万も出して買うほどではなかったなと思っています。でも2万も出してしまったので、せっかくなので全曲に挿してます。
オートEQ:Equalizer(Wavesfactory)
自動で全帯域を同じぐらいの音量感に整えてくれるEQです。
音を整えてくれるという意味では気分的にはレゾナンスサプレッサー的な感じかなと思いながら使っています。
INTENSITYもですが、音は結構変わるので薄っすら掛けるようにしています。
マスタリングツール:Ozone 10(iZotope)
Ozoneも一応使うのですが、AIの提案はあんまり信用していないです。
AIが突飛なEqualizerを提案してきたらMIXが悪いのだと思うので調整し直すか前段にEQを挿して自力で調整します。「わざとそういう音作りしてるんですけど!」というところも指摘してくるので、そういう時は無視します。
ImagerとDynamic EQの提案はそこまでこだわりがないのでそのまま受け入れることが多いです。
Maximizerの提案は、後段で調整するので問答無用で切っています。
コンプレッサー:Shadow Hills Mastering Compressor Class A(Plugin Alliance)
音圧調整のメインです。
和田貴史さんの紹介している設定をプリセットにして使ってます。ゲインやスレッショルドの設定は素材によって変わりますが、ここで-14LUFS~-12LUFSぐらいまで音圧上げをします。
リミッター:Pro-L 2(FabFilter)
一番後ろがこれです。
私は音源のマスタリング時はラウドネスが-11LUFS、ピークがトゥルーピークが-1dBになるようにしています。これは前述のRXのWaveform Statsをみて厳密に合わせています。
なのでPro-Lの設定としてはTrue Peak Limitingをオン、Outを-1dB、Gainを-11LUFSに足りない分にします。
なんかちゃんと数字を合わせたくなってしまうので、例えばMIXを修正した時は一旦書き出す→RXで計測→-11LUFSになるようにPro-LのGainを調整して書き出しの手順で行います。
アナライザー
音作りのプラグインではないので別枠で…。
VU Meter(Waves Audio)
MIX作業の序盤にキックやベースの音量感を決める時に使います。
そのためだけに使った後は消します。
SuperVision(Steinberg)
Cubase付属のアナライザーです。色々な項目が見れるので便利です。
マスタリング後の音源確認の際に使います。
iZotopeのInsight 2が話題になったりしていましたが、同等の内容はSuperVisionで確認できます。
PAZ Analyzer(Waves Audio)
かごめPさんの記事でオススメされていたのでPAZ Analyzerも見るようにしています。
マスタリングの最終確認時にスピーカーやヘッドホンやスマホなど複数環境で確認するのと同様、アナライザーも複数見て違和感がないか確認するようにしています。意味があるのかは分かりませんが。
Youlean Loudness Meter 2(Youlean)
再生時間ごとのラウドネスが見れます。無料版で使っています。
SuperVisionでも見れるのですが、こちらの方が使いやすいのでサビとサビ以外の音量感など確認したい場合に使っています。
まとめ
40プラグインぐらい紹介しました…。
お揃いのものや気になるものはあったでしょうか。
他の人の使ってるプラグイン気になるのでこういうブログ記事書いてください!
1年ぐらい経つ頃には入れ替わっているものもあると思うので、自分でも後で時間が経ってから読み返すの楽しみです!
















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