私のボカロ初投稿日は2021年10月14日です。
2022年10月でボカロP歴1年なので、その1年間で学んだ作詞に関する内容のうち「これ役に立った~」というのをまとめておきます。
この1年間で未投稿曲含め9曲ぐらい?のオリジナル曲を作りました。
企画に参加した時の1分もない短い曲とかオリジナル曲に換算して良いのか迷いますが、ちゃんとオリジナル曲っぽいのはそのぐらいです。
それらの曲の経験も踏まえつつ…。
お役立ちサイト
まずは作詞に役立つサイトの紹介です。
スラスラ言葉が出てくる時は良いですけど、そうでない時はツールを頼ると良いです。
連想類語辞典
言葉を入力すると、類語を表示してくれるサイトです。
類語(シソーラス)を表示してくれるサイトは他にもあるのですが、このサイトは「連想」と付いてる通り「そのまま言い換えできるわけじゃないけど、何となく近い気がする言葉」まで幅広く表示してくれます。
「仮で歌詞置いてみたけどちょっと表現がしっくりこないんだよな~」って時に別の表現を探したり、「あんまこの後の展開思い浮かばない~」って時に良い感じの言葉を入力してそこから着想を得たりに使えます。
韻ノート
言葉を入力すると、その言葉と韻を踏める言葉を表示してくれるサイトです。
割と長めの言葉でも対応していてすごいです。
検索結果が見つからなかった時も「こういう言葉に変えると韻が踏めます」と提案してくれます。
韻を踏んだ歌詞を書きたい時に使えます。
必ずしもタイトルを歌詞に入れる必要はない
何で見たのか覚えてないんですけど、作詞の方法とか検索してる時に「歌詞の中にタイトルを入れましょう。特にサビに入れると良いです」という内容を見たんですよね。
「タイトルは曲のテーマを象徴するものなので、歌詞を書いてれば自然にタイトルが歌詞の中に出てくるはずです。もし出てこなかったら、タイトルかテーマ設定を考え直した方が良いでしょう」的なことが書いてあった気がするんですよね。
これを見て「なるほど!」と思ってしまいました。
私の現在までのオリジナル曲は全部入ってると言えます。
「looK At me careFUlly!」はタイトルの和訳っぽい「私だけ見てて」が入ってます。
「歌詞の中に入れましょう」を真に受けて入れた部分もありますが、大体は自然にそのようになりました。
ただ「天才天才」に関しては入れない方が良かったです…。
「天才天才」という文字列を歌詞のどこかに入れなければと「ダサいなぁ…でも歌詞の中にはタイトルを入れなきゃだしなぁ…」と思いながら無理矢理入れてしまいました。
(ダサくないと思ってくださる方はありがとうございますすみません)
「あれ!?もしかしてタイトルって歌詞に入れなくても良いんじゃないか!?」と気が付いたのは2022年7月になってからです。
ぽりふぉさん作曲、ちょまいよさん作詞の「シュガーレス」の歌詞を見てからです。
内容的にもどこかに「シュガーレス」という文字列が入っていても良さそうですけど、入ってないんですよね。
それで「え、いいの!?」となって改めて考えてみると、世の中には別にタイトルが入ってない歌詞なんてたくさんあることに気が付きました。今更過ぎる…。
絶対入れなきゃだったらこん谷さんの長い曲名とかすごいことになりますしね。
ということで無理して歌詞の中にタイトルを入れる必要はないです。
必ずしも韻を踏む必要はない
普通の文章(例えばこの記事とか)を「散文」と言うのに対し、詩は「韻文」と言いますし、韻は踏まなければいけないものだと思っていました。
柊キライさんも韻のこと言ってます。
私の歌詞ではそんなにちゃんと韻を意識して歌詞を書けていたわけではないですが、「意味のニュアンス的にはこっちだけど、韻はこっちだな」みたいな言葉選びの仕方は多少していました。
ただ「じゃあね。」を作ろうとしていた時にSori Sawadaさんの歌詞をたくさん読んでたんですけど、別に韻関係ないんですよね。
歌詞を書く時のアプローチとして、2方向あるのかなと思いました。
1つはメッセージや物語性など「内容」を重視するもの、
もう1つは韻や音の響きなど「音声」を重視するものです。
私が書きたいと思うのはどちらかと言えば前者寄りです。
「エンエン エンエン エンドロール」よりも「あなたと暮らした36ヶ月の日々は」を書きたいです。
となると別にニュアンスを犠牲にしてまで韻を意識する必要はないのかなと思いました。
具体・抽象という考え方
事情により未投稿の曲(いつか公開したい)なのですが、作詞を依頼した曲があります。
その際にヒアリング項目として「比喩表現と直接表現の割合」というものがあって「そういう考え方があるのか!」となりました。
比喩表現が多く含まれるような抽象的な歌詞は解釈の幅が広いので、聴き手が色々な捉え方ができます。
具体的な歌詞は解釈の幅は狭まりますが伝わる情報量が増えます。
これを適切に活用できているか分かりませんが、例えば「etc.」では歌詞の中に名探偵コナンの登場人物の「新一」という言葉が出てきます。
歌詞全体が「人生をガチャに喩える」というものでふわふわっとした内容だったので、どこかで引き締めたいなと思い「新一タメってマジ? それってもう大人ってこと…!?」という歌詞を入れました。
これにより「主人公はコナンを知ってる感じのキャラ設定だと伝える」「歌詞には入れていない『見た目は子供、頭脳は大人』というフレーズを連想してもらう」とかの効果がある…と良いなと思ってます。
あとは「Vtuberになんかなりやがって」のこの部分とか。
ロリで巨乳って あーウケるしね
キャラ付け 処女アピ あー売れるしね
わざわざ「ロリ」「巨乳」「処女」と直接的に列挙することで、ただ単に「媚びやがって~」と書くよりも色々な情報が伝えられるように思います。
具体・抽象という考え方を知ることで、私はどちらかというと具体的な表現が含まれる歌詞の方が好みだということにも気がつけました。
「世界、愛してるぜ~」「社会死ね~」みたいな歌詞よりも、別に聴き手全員が経験して共感するわけじゃなくても具体的な出来事があって、そこからメインテーマが見え隠れするみたいなのが良いです。
また、具体・抽象という視点を持つことで歌詞のコントロールがしやすくなりました。
一人称と二人称ムズイ
これは今後の課題でもありますが、ムズイということを学んだということで…。
一人称と二人称で結構主人公のキャラ設定が固定されてしまうんですよね。
「僕」「私」、「あなた」「きみ」とか。もっと言えば「わたし」「私」、「あなた」「アナタ」「貴方」とかの選び方も。
主人公の性別をボカしておきたいなという時も、一人称で例えば「私」とすると何となく女性っぽくなってしまう気がします。
現状、特に決めない時は最初に自然に出てきたフレーズで使った人称に合わせるという風にしていますが、この辺自分の中で違和感なく使いこなせるようにしたいですね。
まとめ
作詞、自由度高くて難しいですね!
元々自由だとは思っていましたが、「思ってたより自由じゃん」と気が付いた1年でした。
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