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ドラマ「初情事まであと1時間」第4話「姉と妹」の感想

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ドラマ「初情事まであと1時間」の第4話「姉と妹」の感想です!

原作第1巻、EXTRA 1「妹と姉とその彼氏の場合」を元にした脚本です。

単行本に収録されているのとは若干違いますが、Pixivでも見れます。

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井上春

春です。
ボカロ曲を投稿したのでボカロPを名乗ることができます。

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作品情報

姉と妹

あらすじ

姉の瑞穂(青山美郷)と妹の菜摘(中田青渚)が二人暮らしをする家に、瑞穂の彼氏・芳樹(望月歩)が泊まりに来る。二人の間には体の関係がまだ無い。瑞穂がシャワーを浴びる間、芳樹から二人の関係性を根掘り葉掘り聞き出そうとする菜摘。「はよお姉の処女捨てたって」と言いつつも、「お姉、長風呂やねん」と積極的に芳樹を誘惑する菜摘、菜摘の猛攻をなんとかかわし続ける芳樹。やがてシャワーの音が止み、部屋のドアが開く。

ドラマ公式サイトより

スタッフ

出演:望月歩、青山美郷、中田青渚
監督・脚本:谷口恒平

感想

今回は第2話以来の原作あり脚本です。

それだけに原作ファンとしては気になる点が…。

原作からの改変

原作は6ページしかない短い話なので、30分尺のドラマにするにはストーリーをある程度変える必要があります。

当然色々違いますが、特に大きな変更はこんな感じかなーと思います。

天気が雨じゃなくなった

たかが天気ですが、後述の通りこれは重要だった部分です。

原作ではずっと雨が降っていました。
それがドラマでは多分晴れてます。「晴れ」の描写はありませんでしたが、雨音がしないので少なくとも雨は降っていないでしょう。

原作は雨が降っていて、 芳樹(原作では名前は出てなかった)は家に帰れないことになりました。
そのため姉妹が暮らす家に留まることになる、という経緯の話でした。

ドラマではその辺が変わって、妹が家に帰って来ない予定だからヤる気で泊まりに来たら帰ってきた、という風になっています。

姉妹の性格描写が足された

姉がBL作家、妹がモデル(?)というのはドラマオリジナルです。

原作は6ページしかないので登場人物の性格をうかがい知る材料がほとんどありませんでしたが、職業(趣味?)が追加されたことで姉妹の性格が分かりやすくなりました。

これも後述の解釈違いに繋がったかな~と思います。

姉が処女になった

姉が処女だと名言されたのもドラマオリジナルです。
原作では「あの子ウブだし」というだけで処女かどうかは不明です。

これは良い設定追加だったと思います。

第2話の両者ノリノリなのと違って「一旦断る」というエピソードが見れたので。

妹の意図が解釈違い

まず一番大きいのは妹の性格と意図です。

あらすじに書かれているような「積極的に芳樹を誘惑する菜摘」という言葉で説明してしまうと原作もドラマも同じなのですが、その意図は大きく異なると思います。

まず原作では妹も芳樹のことが好きだと思います。

そもそもこの妹は元々「積極的に誘惑する」性格ではありません
そのことは最終ページの独り言のセリフ、
妹「あいつアホじゃからほんとにやりかねんな」(「ドア開いたら抱きつけ」と言ったことに対して)
妹「……アホなんはウチやわ」
から読み取れます。

好きだけど姉の彼氏にそれを直接伝えることはできないから、慣れないことをして、最終的に「ドア開いたら抱きつけ」などという、恋敵である姉と芳樹を結び付けかねない助言をしてしまうのです。

姉を超えるために「積極的に誘惑する」という、自分の性格とは違う不本意なことをしている……というのが私の原作理解です。


一方ドラマでは妹の意図はそうではありません。
妹は芳樹のことは別に好きでもありません(という風に私は見ました)。

じゃあなぜ「積極的に誘惑する」という行動を取ったのかと言えば、姉への嫉妬です。

「近親相姦のBLなんか描いてるーwwwププッ!そんなんだからいつまでも彼氏できないんだよーwww」と思って下に見ていた姉が「彼氏できた」と言い出したので「BL描いてるくせに!?私より下の立場のはずなのに彼氏が!?」と気に食わないのです。

誘惑の目的は姉の彼氏を寝取ることなので、別に芳樹のことが好きなわけではありません。
姉に「なんで私の彼氏奪ったの!!!」ってキレられて、それに対し「ヤらせてあげないからじゃないwwww」と返せれば良いのです。

妹、電話の感じとかからして彼氏いそうですしね。

個人的にはこのドロドロした感じは「初情事まであと1時間」という世界観には合っていないように思いました。


そう、私も途中までは「焚き付けるため」の可能性もあるなと思いました。
「開いたら抱きつけ」と一言残して部屋を出ていく辺りでは「あーそういう感じに変えたのね」と思いました。

そっちならまだ平和な世界で良かったかな…。
終盤の「彼氏できた」の回想シーンの演出でその線は消えましたね。

芳樹、誰でも良いのかよ

原作の姉妹は外見にあまり差がありません。
性格の面も、一応「姉が奥手で妹が積極的」という違いはあるものの、前項の通り妹は無理して積極性を演じてる面があります。

つまり姉も妹も似ています

想像ですが、芳樹が姉と出会うよりも先に妹と出会っていたら妹の方と付き合っていたのでないかと思います。
それだけに、「ドアから入ってきたのが……」みたいなちょっとしたきっかけさえあったら妹と付き合うことになることもあり得ると思えます。

ドラマでは姉妹は完全に別物として描かれます。
BL作家とモデルという対比が象徴的です。

芳樹、そんなに振れ幅広くて良いのか…?
「ヤれれば顔とか性格とかどうでもいいぜヒャッハー!」という感じならまぁ…という気もしますが、芳樹はもっと理性的な気がします。

ここまで別属性の姉妹だと「姉と付き合ってるけど妹も良いかも…」と考えることにあまり説得力がないように思います。

雨が降っていないことで

雨が降っていないことに変更したことで、色々と設定に矛盾が生まれているように思います。

シャワーの音聞こえるんかい

原作は雨が降っていてシャワーの音はおろか、足音も聞こえません
常に「ザアアアア」という効果音が鳴っています。

3ページ目に
芳樹「急にドアが開いたからビックリしたよ」
妹「雨の音で足音聞こえんかった?」
というセリフがあります。

つまり、ドアが開くまでそこにいるのが誰だか分かりようがないのです。

その点ドラマは…

やがてシャワーの音が止み、部屋のドアが開く。

あらすじより

シャワーの音が止んでから開いたならそれ風呂上がりの姉じゃん!!

妹が部屋を出ていった後に、部屋までシャワーの音が聞こえている描写もあります。

原作もドラマもオチの部分は「ドア開けたのが姉か妹か分かりません。どっちだろうね想像が広がるね~」という風になっています。

ドラマ、シャワーの音止んだなら普通に考えて姉じゃないですか…?
にも関わらず原作と変わらず「どっちだろうね~」をしているところに矛盾を感じます。

仮にこのタイミングで来たのが妹だったら、イチャついてるとこで風呂上がりの姉が合流することになります。
妹の立場としてはそうならないように姉がまだ風呂に入っている、シャワーの音が止んでないタイミングを狙いますよね。

芳樹の体が濡れてない

原作がオチ周りをどのように解決しているかというと、やはりキーは雨です。

芳樹は一度雨の中帰ろうとして体が濡れています

妹がなぜ「姉じゃなく自分を」と言ってるのかというと、体が濡れてる彼氏を放っておいて自分だけ温かいシャワーでぬくぬくしてる姉の気が利かないと考えているからです。

「姉と妹どっちがドアを開けるか」の境目になるのは、

  • 普段は長風呂だが彼氏を想って今日はいつもより早めに上がる
    →姉ルート
  • そんなことなく普段通り長風呂。妹がまんできない。
    →妹ルート

です。

姉が長風呂するかどうか=彼氏のことをちゃんと考えてるかどうか、でいわば賭けをしようと妹は持ち掛けているわけです。

そのためには芳樹の体は雨で濡れてる(姉が彼氏を気遣って長風呂をやめる可能性がある)必要があります


監督はこの点を読み落としてるのかなと思いました
でなければこんな重要かつ再現も難しくない要素は削らないように思います。

ただちょっと思ったのは、長風呂かどうか辺りの設定には彼氏への想いでなく姉の性欲で代替してる…?

意味深に「ほんまにしたくなる時が来ると思うねん」というセリフがありましたが、

  • 「ほんまにしたくなる時」が今来て早く上がる
    →姉ルート
  • 「ほんまにしたくなる時」はまだ来ず、普段通り長風呂
    →妹ルート

みたいな…。

情緒がなくて個人的には好みではありませんが、そういう理解もできなくはありません。

開幕下着

別に本筋に関係はありませんが、こういうのキャッチーで良いですね。

「開幕下着 #初情事まであと1時間」ってツイートしたくなります。

方言良いね

方言良いですね。

原作でも姉妹は方言ですが、やっぱり文字で読むのと音声で聴くのでは違います。

芳樹なんでカメラ持ってるの…?

家を訪ねてきた芳樹は首からカメラを下げていました。

や、別に誰が何を持っていようとどうでも良いですけど、「なんで…?」とは思いました。
こんな時間にこんな場所で撮るものあるのか…?

しかも事あるごとに今にも撮りそうな構えをします。レンズキャップも付いてないですし。

「こんなに強調されるってことは何か設定が…!」と思ったら特に何もありませんでした。

技術面気になった

第2話、第3話と比べると技術面が気になってストーリーに入っていくのがやや妨げられる感じがありました。

分かりやすいところだと芳樹の演技とか…。
「全員上手い」「全員拙い」なら気になりませんが、妹と話すシーンが多いだけに妹との対比で芳樹の演技のぎこちなさが引っかかりました。

細かいところだと照明は全体的に”照明感”みたいなのがあった気が。
あとは7:59辺りや8:23の画角が移動するのを待ってから役者が動き始める感じとか何となく違和感がないでもない感じ…?
編集の間だと2分の辺りのテレビの音量下げられた後の姉の「あ!」とか。

耳舐めと股間

耳舐めと股間を交互に繰り返し映すカットは面白かったです。

直接映さなくても映像の繋がりで意味を持たせられるのは映像作品ならではですね。

ただこれも解釈違いですが、私の中の芳樹は飼い犬に舐められたぐらいの感じで「はいはい分かったから分かったから」と軽く流すような気もします。

まとめ

全体的に、「姉と妹」にしてはやや下品な要素が盛られてたかなと思ってしまいました!

原作との細かい違いなんかは原作未読であれば気にならないのかなとは思いますが、「原作はもっと細部の解像度が高いんだよな~、原作のストーリーも見てみて欲しいな~」とも思ってしまいます。


第3話の感想↓

第5話の感想↓

コメント

  1. nim より:

    今さっきドラマの方を見たのですが、疑問符がいくつも浮かんで…。
    原作との違い等、丁寧に書いていただいていて、とてもありがたかったです。
    スッキリしました~。

    • 井上春 井上春 より:

      コメントありがとうございます!
      スッキリしていただけて良かったです!

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