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平成元年生まれが初めてボカロ曲を聴いてみた感想

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はじめまして。私は2022年現在、33歳の女性です。

私は、音楽に対してとても平均的な30代である自信があります。この場をお借りして、ごく普通の30代が初めてボカロ曲を聴くとどう感じるのか、綴っていきたいと思います。

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YOSHI

思春期にハマっていた音楽はロキノン系の、平成元年生まれ。記事執筆前の現時点でボカロの声?は一言も聞いたことがない。

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わたしの音楽遍歴

私が音楽を一番たくさん聴いていた時期は、中学・高校時代です。

当時はヒットチャートに上がる曲はだいたいチェックしていて、中でもASIAN KUNG-FU GENERATION、ELLEGARDEN、チャットモンチーなど、日本のバンドの楽曲を特に好んで聴いていました。恋愛に関する歌がやたらと多い女性歌手のことはちょっと冷めた目で見ているようなタイプで、同世代の方がこれを読んでくださっていたら、「そういう奴クラスに3人くらいはいたな~」という感じだと思います。

そこから年齢を重ねるにつれ、流行りの音楽を聴くというより、懐メロや昔の歌謡曲をカラオケで歌って楽しむ機会の方が多くなりました。80年代~90年代の曲は、大人になって聴くと歌詞や曲調が胸に沁みる曲が多く、飲み会で上司や先輩につきあっているうちに結構好きになっていたのです。これもきっと、日本のサラリーマンあるあるですよね。

そんな私はこの記事を書き始めた今、ボカロについてほとんど何もわかっていません。身のまわりにも、ボカロの楽曲をよく聴いている詳しい人はいません。

  • ボカロってSiriやアレクサみたいなもの?
  • 『ボカロP』という言葉は知っているものの、何のことかは知らない。
  • たぶんボーカルがボカロとして、他の楽器演奏は何?
  • 初音ミクについては髪が青緑なこと以外知らない。

あとで見返すととても初歩的なことかもしれませんが、今のところこんな状態です。

次の章を書き始める前に、まずは最低限の情報をググってみて、ボカロ曲に対するイメージや疑問を膨らませてみたいと思います。

ボカロ曲のここが知りたい

ボカロについて軽くググりました……なるほど。

基本的なことを理解した上で、いま私が気になっていることは二つです。

Q.感情がこもっているか?

サンプリングされた音声が元になっているということですが、それってやはりSiri・アレクサ感があって歌として不安定なのでは?味気ない歌になってしまうのでは?と、正直なところ楽しめるか不安です。

私はいろんな時代の曲を聴く中で、「歌がうまいことより気持ちが伝わることが大事」「むしろ歌がヘタな方が伝わる感情もあるのでは」と思うようになりました。私にとって音楽を聴く上での楽しみは、歌詞と歌声が合わさってメッセージとして伝わってくることなのです。

だから、ボカロが人間の肉声のようなイントネーションや発音できれいに歌えるとしても、盗んだバイクで走りだす~!という尾崎豊のような、感情をこめた歌唱になるものなのか、かなり気になるところです。

Q.ボカロ曲の良さは何なのか?

作曲家の方にとって、ボカロは音楽作りをする上でたくさんメリットがあると思うのですが、聴き手にとってのメリットとか良さは何なのか、気になります。

もし感情のこめ方が肉声にかなわないとしても、「これはボカロで正解だな」と思えるような曲があるのかもしれません。盛り上がってノリノリで踊れるとか、心が落ち着くからBGMとしていいとか、歌詞を聴く以外にも私がまだよく知らない音楽の楽しみ方を発見できるかもしれないですね。全体的に、聴いたらどんな気持ちになるのか想像できなくて、楽しみです!

さあ、イメージが膨らんだところで、実際に楽曲を聴いていきたいと思います!

楽曲を聴いた感想

歌唱のテクニックがすごい

実際に曲を聴いてみてまず感じたのは、「え、こんなに歌うまいの!?」ということです。

ガナリやしゃくりあげるような歌い方もできて、人間が歌うのと変わらない発音とイントネーションで聞こえることに感心しました。Siri・アレクサ感、全然なかった。(意図的に機械っぽくしていると思われる曲はありました。)

個人的には男性のボカロが特に自然な歌声に聞こえて驚きました。声質も気に入りました。

情報量が多くて疲れる

ボカロ楽曲発表の場としては、ニコニコ動画がメインストリームのようですね。私も今回ニコニコ動画上で初めて曲を聴いたのですが、情報量の多さに少し疲れてしまったところがあります。

こだわりの音楽にのせて映像、歌詞、視聴者の方のコメントが一挙に流れてきて、初めてその音楽を聴くのに自分の感性をはたらかせる余地がないのが、少し残念だなと感じました。聴いた瞬間に曲のイメージが固定してしまうので、一度苦手だと感じたら何度も聴こうとは思わなそうです。

一方で作曲家の方からすると、「こんなイメージを伝えたい」「こう感じてほしい」という意図がしっかり伝わる方法で作品を発表できるのは、良いことなのかもしれません。

「感情がこもっているか?」

私が当初抱えていたこの疑問に対する回答は、個人的には「肉声にはかなわない」です。

歌のテクニックは本当にすごかったのですが、やはり感情が伝わることとはまた違うようです。特にバラード寄りのゆっくりした曲調では、息継ぎや微妙な声の震え、細やかな強弱がある人間の歌い方のほうが気持ちが伝わるように感じられました。ボカロのラブソングでは、私は泣かないですね。

ただ同時に、感情の入り方があっさりしている分、過激な歌詞をのせるならボカロの方が聴きやすいな、とも感じました。例えば私はAdoさんの『うっせぇわ』は、歌詞が頭に入ってきすぎて気が滅入ることがあるのですが、ボカロなら少し攻撃的な歌詞でもあまり引っかからずに聴けます。この曲なんかがそう感じました。

「ボカロ曲の良さは何なのか?」

今回、ボカロだからこそ面白いと感じた曲が2曲ありました!

まずはこちらです。

冗談っぽい歌詞を歌うボカロの人間っぽくない声が、逆にすごくかわいい。冒頭のボカロの関西弁も、私には新鮮に感じられて面白かったです。歌詞のテーマや言葉遣いとボーカル、映像がすべてマッチしていて、この曲だけは情報量の多さを楽しむことができました。音楽を使った新しい遊び、という感じがします。

2つ目はこちら。

この曲、人間が歌うとちょっとポエムっぽすぎて、気恥ずかしくなりそうではないですか?でもボカロの淡々とした声だと切ない雰囲気になり、メッセージ性の強いことばとメロディの綺麗さがシンプルに入ってきました。いい曲だな、としみじみ感じられた一曲です。

上記2曲は、「人間の代わりにボカロを使った」作品ではなく、「ボカロで作る新しい芸術」だと感じられて楽しかったです。個人的にはこういう新しい世界観を表現している楽曲なら、人間の声よりボカロの方がいいなボカロ曲を聴く意味があるな、と思います。

他にも、ラップや歌詞をつめこむような楽曲の場合は肉声より完成度が高く、いい意味で人間離れしているのを感じました。息継ぎをしなくていいので考えてみれば当然そうなるのでしょうが、そもそもボカロでラップするという発想がありませんでした!

全体的にクリエイティビティあふれる楽曲が多いな、という印象を持ちました。

まとめ

初めてのボカロ楽曲鑑賞でしたが、予想以上に楽しむことができました。ボカロ曲といってもいろんなジャンルの曲があることがわかり、自分と感性のあう作曲者を探して応援するのも楽しそうです。

あと、人間が奏でる音楽だとアーティストのキャラクターが気になるけれど(曲は良いがこのラッパーイカツすぎるな…など)、そういう雑念が無く純粋に音楽を聴けたのも、新鮮な体験でした。

良い機会をいただきありがとうございました!

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